循環器内科
循環器内科では、心臓病の治療だけでなく、病気を未然に防ぐための予防や、健康診断で見つかった異常の早期発見、高血圧や脂質異常症といった慢性的な病気の継続的な管理を行っています。
また、緊急性の高い症状が見られた場合には、速やかに専門の医療機関へつなぐ橋渡しの役割も担っています。
循環器内科が対応する症状
急性の症状
- 突然の胸の痛みや締め付け感、圧迫感
- 急に息が苦しくなった、呼吸が荒い
- 脈の乱れや急に速くなったり、めまいを伴う
- 意識が遠のく感じ、失神しそうになる
- 歩くと足が痛む、しびれる
慢性の症状
- 脈が不規則に感じる
- 階段や坂道で息切れしやすい
- 足のむくみが慢性的にある
- 血圧が高い、変動が大きい
- コレステロール・中性脂肪が高いと言われた
- 健康診断で心電図異常を指摘された
- 家族に心臓病があり、自分も心配
主な病気について
高血圧
高血圧は、血管にかかる圧力が慢性的に高い状態が続く病気です。
初期にはほとんど症状がないため「サイレントキラー」とも呼ばれ、気づかないうちに血管や臓器にダメージを与えていきます。
血圧は心臓が血液を送り出す力と血管の抵抗によって決まります。
最高血圧は心臓が収縮して血液を送り出すときの圧力、最低血圧は心臓が拡張して血液を受け入れるときの圧力を示します。
自覚症状がないまま進行しますが、適切な治療により心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気を予防することができます。
健康診断で血圧が高いと指摘された方は早めの受診が大切です。
脂質異常症
脂質異常症は、血液中のコレステロールや中性脂肪が異常な値を示す状態です。
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が高い、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が低い、中性脂肪が高いといったタイプがあり、これらが単独または複数重なって現れることもあります。
高血圧や糖尿病と同様に、自覚症状がほとんどありません。
しかし放置すると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気のリスクが高まります。
健康診断でコレステロールや中性脂肪の異常を指摘された方は、症状がなくても適切な評価と治療を受けることが大切です。
高尿酸血症
高尿酸血症は、健康診断で尿酸値の異常を指摘されたり、痛風発作を経験したりして見つかることが多い病気です。
尿酸は体の代謝によって自然に生まれる物質ですが、増えすぎると関節に結晶として蓄積し、激しい痛みを伴う痛風発作を引き起こします。
尿酸値が高い状態を放置すると、腎臓の機能が低下したり、高血圧・糖尿病・脂質異常症が悪化したり、心筋梗塞や脳卒中のリスクが上昇する可能性があります。
症状は痛風発作という形で現れます。足の付け根などが突然腫れて赤くなり、触れられないほどの激痛が起こります。
ただし、多くの方は健康診断で初めて尿酸値の高さを指摘され、症状がないまま見つかることも少なくありません。
症状がなくても治療が必要な場合があります。
当院では患者様一人ひとりのリスクを判断し、適切な治療プランを提案します。
慢性心不全
慢性心不全は、心臓のポンプ機能が弱くなり、全身に十分な血液を送り出せなくなる状態です。
心臓は休むことなく働き続けていますが、加齢や高血圧、心筋梗塞、弁膜症などの影響で負担がかかり、徐々に機能が低下していきます。
症状が良くなったり悪くなったりを繰り返しながらゆっくり進行するのが特徴です。
治療の目標は、症状が悪化する回数を減らし、安定した状態を保つことです。
当院では、専門病院での治療後の心臓を長く守るため、心臓の負担を軽減する薬による管理を行っています。
倉敷中央病院とは「心不全手帳」を通じて医師間で症状や治療の記録などを共有し、切れ目のない継続的な管理を実現しています。
心房細動
心房細動は、心臓の上の部屋である心房が不規則に震えることで脈が乱れる不整脈の一つです。
動悸や息切れ、めまいを感じることもあれば、まったく自覚症状がなく健康診断などで偶然見つかることもあります。
脈が不規則になると心房内で血液の流れが滞り、血栓(血のかたまり)ができやすくなります。
この血栓が血流に乗って脳の血管に詰まると脳梗塞を引き起こすため、心房細動は脳梗塞の重要な原因として知られています。
特に高血圧、糖尿病、心臓病をお持ちの方や高齢の方は注意が必要です。
早期に診断して脳梗塞を予防する治療を始めれば、安心して日常生活を送ることも可能です。
動悸や脈の乱れを感じる方、健康診断で不整脈を指摘された方は早めにご相談ください。
当院の循環器内科における特徴
心筋梗塞・脳卒中を未然に防ぐ総合的な管理
高血圧、脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病は、放置すると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中といった重大な病気につながります。
当院では患者様の年齢、家族歴、喫煙習慣、肥満の有無などから動脈硬化のリスクを評価し、一人ひとりに合わせた薬物療法と生活習慣の改善を提案します。
食事や運動、禁煙など、日常生活の中でできる取り組みについては管理栄養士とも連携し、無理なく続けられる実践的な指導を行います。
検査データや生活習慣、日常の食習慣を踏まえて、医師と栄養士が一緒に最適なプランを作成します。
慢性疾患の継続的な見守り
心不全や心房細動といった慢性的な心臓の病気は、症状が安定していても定期的な管理が欠かせません。
当院では体重やむくみ、息切れといった日常的な変化を丁寧にモニタリングし、BNPや心エコーなどの定期的な検査で心臓の状態を評価します。
心房細動の方には、脳梗塞を予防するための抗凝固療法を適切に管理します。
当院は救急医が診療に携わるため、日常のちょっとした変化を見逃さず、それが心臓の影響かどうかを見極めることができます。
慢性疾患の日常管理は安心してお任せください。
症状の原因を的確に見極める早期発見
胸痛、動悸、息切れ、むくみといった症状は、実は循環器以外の病気が原因であることも少なくありません。
救急医の視点から、その症状が本当に心臓に関連しているのかを的確に判断します。
当院では心電図、24時間心電図、血管年齢測定、心エコーといった検査を院内で実施できます。
初期の段階で他の原因を除外するためのCT検査も可能です。
必要に応じて専門病院へ適切なタイミングで紹介することで、早期発見と早期治療につなげます。
早期発見は予後を大きく変える可能性があります。
また、血液検査では当日中に結果を確認できるため、その日のうちに病状を把握し、治療方針を決めることが可能です。
尿検査では塩分量の評価も行っており、高血圧の管理に役立てています。
呼吸器内科
呼吸器内科では咳やたん、息切れ、胸の違和感など、呼吸に関する不調を詳しく調べ、適切な治療と日常生活をサポートします。
呼吸器の症状は季節によって原因が変わることも特徴です。
春は花粉、夏は冷房による影響、秋はアレルギー、冬は感染症と、一年を通じてさまざまな要因が呼吸器に影響を与えます。
当院では季節ごとに変化する症状にも対応し、原因を見極めた適切な診療を行います。
呼吸器内科が対応する症状
急性の症状
- 突然息が苦しくなる、呼吸が荒くなる
- 急に咳が止まらなくなる
- ゼーゼー、ヒューヒューという音がする
- 呼吸をすると胸が痛む
- アレルギー症状が急に悪化し、息が吸いにくい
これらの症状は喘息発作、肺炎、気道閉塞などの可能性があります。
慢性の症状
- 咳や痰が長く続いている
- 風邪をひくと咳だけが長引く
- 階段や坂道で息切れしやすい
- 禁煙をしたい
- いびきが大きい、日中の眠気が強い
主な病気について
気管支喘息
気管支喘息は、気道に炎症が続くことで呼吸の通り道が敏感になり、狭くなってしまう病気です。
アレルギー反応、風邪、運動、冷たい空気、タバコの煙などがきっかけとなり、ゼーゼーという音を伴う息苦しさや咳が繰り返し起こります。
症状は夜中や明け方に強くなりやすく、良くなったり、悪くなったりを繰り返すのが特徴です。
治療では吸入薬を使って気道の炎症を抑え、発作が起きないようにします。
喘息の炎症は症状を感じていない時でも気道の奥で続いていることが多く、自己判断で薬をやめてしまうと再び悪化したり、ひどい発作につながることがあります。
治療を中断した状態が続くと、気道そのものの構造が変わってしまい、肺の機能が徐々に低下していきます。
こうなると元に戻すことが難しいため、症状が落ち着いても治療を続けることが大切です。
咳喘息
咳喘息は気管支喘息と同じように気道に炎症が起きて敏感になる病気ですが、気道の狭さが軽いためゼーゼーという音は聞こえず、咳だけが長く続くのが特徴です。
夜や明け方に咳がひどくなりやすく、風邪が治った後も咳だけが残るケースにおいてもよく見られます。
咳が止まった後も炎症は3か月ほど続いており、そのうち約3割の方が気管支喘息に進んでしまうため、治療の終了時期は慎重に見極める必要があります。
当院では、咳の様子や呼吸の状態を確認しながら、呼気NO検査や血液検査で炎症の程度を確認し、気管支喘息に移行するリスクも考えた上で治療終了のタイミングを提案しています。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
COPDは長年の喫煙などによって気道や肺が傷つき、息切れや咳、痰が続くようになる病気です。
階段や坂道で息が切れやすい、朝に咳がよく出る、風邪をひくと長引くといった症状が見られます。
早めに治療を始めれば病気の進行を抑え、日常生活での息苦しさを和らげることが期待できます。
COPDの治療で最も大切なのが禁煙です。
当院では、禁煙外来を実施しており、禁煙指導や禁煙補助薬の処方を行っています。
気管支拡張薬や吸入ステロイド薬を使用し、症状を和らげ、病気の進行を遅らせます。
COPDの方は呼吸に多くの体力を使うため、食事による体調管理も症状を安定させるために大切です。
痩せすぎないように筋肉量を保つこと、炭水化物を摂りすぎないことで呼吸の負担を減らすことを中心に、続けやすい食事の工夫をアドバイスしています。
呼吸機能検査で治療効果を定期的に確認しながら、薬の調整を行います。
必要に応じて在宅酸素療法や呼吸リハビリテーションも検討します。
肺炎
肺炎は細菌やウイルスが肺に入り込んで炎症を起こし、熱や咳、痰、息苦しさなどが現れる病気です。
風邪や気管支炎と似た症状で始まることも多く、特に高齢の方にとっては命に関わることもあるため注意が必要です。
当院では症状の確認、聴診、胸のレントゲン、血液検査などを総合的に判断し、肺炎かどうかを見極め、必要があれば抗菌薬などで治療を行います。
救急医が入院が必要かどうかの判断も適切に行います。
軽い肺炎であれば通院での治療が可能です。
回復の様子を見ながら丁寧にフォローいたします。
当院の呼吸器内科における特徴
長引く咳の原因を見極める診療
咳が続くと仕事に集中できない、夜眠れない、家族との時間にも影響が出るなど、日常生活に大きな支障をきたします。
当院では、長引く咳の原因を丁寧に調べ、根本的な解決を患者様と一緒に目指していきます。
咳の原因は喘息やアレルギーだけでなく、後鼻漏、胃酸の逆流、感染症の後遺症など多岐にわたります。
複数の原因が重なっているケースも少なくありません。
救急医の視点も活かしながら、専門科にとらわれず幅広い角度から原因を探ります。
その日のうちに診断できる検査体制
当院では呼吸器の状態を正確に評価するための3つの重要な検査を当日中に実施しています。
血液ガス検査では血液中の酸素や二酸化炭素の濃度を測定し、呼吸の状態を詳しく評価します。
CT検査では肺の病気の診断に最も有用な画像を得ることができます。
スパイロメトリー(呼吸機能検査)と呼気NO検査を組み合わせることで、喘息とCOPDを即日で区別することが可能です。
これらの検査を組み合わせることで、その日のうちに診断し、適切な治療を始めることができます。
薬だけに頼らない総合的な健康管理
当院では呼吸器疾患の治療に加えて、ワクチン接種、禁煙外来、栄養指導を組み合わせた総合的な診療を行っています。
ワクチン接種により感染症による症状の悪化を予防します。
COPDの最も大きな原因となる喫煙に対しては禁煙外来で禁煙のサポートを行い、病気の進行を抑えます。
禁煙は呼吸器疾患の治療において最も重要な取り組みの一つです。
また栄養指導では、体力を維持し症状を安定させるための食事の工夫をアドバイスします。
治療だけでなく日常生活全体を見据えた総合的な支援で、患者様の呼吸の健康を守ります。
禁煙外来について
当院では、禁煙を希望される方を対象に禁煙外来を実施しています。
COPDや気管支喘息など呼吸器疾患の治療において、禁煙は最も重要な取り組みの一つです。
「やめたいのにやめられない」という方も、ニコチン依存症は医学的に認められた疾患であり、適切な治療で改善が期待できます。
当院では保険適用での禁煙治療に対応しており、ニコチン依存度の評価をもとに禁煙補助薬の処方と生活指導を行っています。
呼吸器内科と一体的に診療するため、肺への影響を確認しながら禁煙に取り組むことができます。
睡眠時無呼吸外来について
睡眠時無呼吸症は、眠っている間に呼吸が何度も止まったり浅くなったりする病気です。
大きないびき、日中の強い眠気、熟睡感がないといった症状が特徴です。
夜間に気づかないうちに酸素不足が続くため、高血圧や不整脈、脳卒中、心疾患のリスクが高まることが知られています。
飲酒、夜間の低酸素、不整脈、血圧上昇が重なると、まれに突然死につながることもあります。
主な原因
最も多いのは、気道が狭くなることで起こる「閉塞性睡眠時無呼吸症」です。
肥満、首まわりの脂肪、扁桃腺の肥大、あごの形などが影響します。
最近では女性や若い方、痩せ型の方にも増えていることが注目されています。
ストレス、生活リズムの乱れ、鼻炎やアレルギーの増加が背景にあると考えられています。
このような方におすすめです
- いびきが大きい、家族から呼吸が止まっていると言われた
- 日中の眠気で仕事のパフォーマンスが低下している
- 新型コロナ感染後からいびきや息苦しさが悪化した
- スマートウォッチでいびきや睡眠の質の低下を指摘された
- 高血圧、糖尿病、肥満などの生活習慣病がある
- 夜間に何度も目が覚める、朝の頭痛がある
- 女性や痩せ型でも眠気やいびきがある
睡眠時無呼吸症の治療法
睡眠時無呼吸症の治療は、症状の重症度や患者様の状況に応じて複数の方法があります。
体位療法
軽症から中等症の方に特に効果が高い治療法です。
横向きで寝る習慣をつけることで無呼吸を改善します。
仰向けで寝ると舌や軟口蓋が喉の奥に落ち込み気道が狭くなりますが、横向き(側臥位)で寝ると気道が広がりやすくなり、無呼吸が軽減されます。
抱き枕を使ったり、背中側にクッションを当てて仰向けを避けるなどの工夫が有効です。
マウスピース(口腔内装置)
軽症から中等症の方に有効な治療法です。
下あごを前に出すことで気道を広げ、無呼吸を軽減します。
歯科で作成し、就寝時に装着します。
生活習慣の見直し
減量
肥満により首まわりや舌の付け根、咽頭周囲に脂肪がつくと気道が物理的に狭くなります。
また内臓脂肪が増えるとお腹の圧が高まり、横隔膜が上に押し上げられます。
すると肺が十分に広がらず呼吸が浅くなり、酸素が不足しやすくなるため、無呼吸からの回復が遅れます。
当院では肥満外来と連携し、管理栄養士による食事指導を行います。
ご希望に応じて肥満治療薬による自費診療も可能です。
禁煙
喫煙により気道が浮腫んで狭くなり、睡眠中に呼吸の通り道が閉じやすくなります。
さらに喫煙は気道周りの筋肉の働きを弱めることが分かっており、睡眠中に気道がつぶれやすくなる原因となります。
禁煙することで無呼吸の指標が約10〜20%改善したという報告があります。
CPAP療法
睡眠中に鼻に装着したマスクから一定の圧力で空気を送り込み、気道が狭くなったりつぶれたりするのを防ぐ治療法です。
気道が閉じそうになると空気の圧力が内側から支えて閉塞を防ぎます。
呼吸そのものを助ける装置というよりは、気道を開いた状態に保つための空気の支えのような働きをします。
機器の構成
治療に使用する機器はレンタルです。
空気を送り出す本体、ホース、鼻に装着するマスク、乾燥を防ぐための加湿器で構成されています。
近年の装置は以前に比べてコンパクトで音も静かになっており、寝室でも気になりにくい設計です。
使用方法
就寝前にマスクを顔にフィットさせ、ホースを本体に接続して電源を入れます。
横になって自然に呼吸するだけで、特別な操作は不要です。
数分で慣れることができます。
期待できる効果
- 日中の眠気の軽減
- 集中力、仕事のパフォーマンスの向上
- 血圧の低下
- 不整脈(特に心房細動)の発症リスク軽減
- 夜間の血中酸素濃度の改善
- いびきの大幅な減少
CPAP療法は効果が非常に高い治療として世界的に標準化されています。
受診の流れ
STEP1:問診
初診時に、日中の眠気の程度を評価するESS(エプワース眠気尺度)を用いて、睡眠時無呼吸症の可能性があるかを判断します。
日常生活において、以下の8つの場面で「どれくらい眠くなるか」を評価します。
- 座って読書をしている時
- テレビを見ている時
- 公共の場で座って何もしていない時(会議、映画館など)
- 1時間ほど横になって休んでいる時
- 座って誰かと話している時
- 昼食後、静かに座っている時(飲酒なし)
- 車の中で、渋滞などで数分間止まっている時
- 車を運転中、信号待ちや単調な道を走っている時
STEP2:検査の予約
睡眠時無呼吸症が疑われる場合、簡易睡眠時無呼吸検査を行います。
検査を希望される日程を決めます。
STEP3:検査機器の受け取り
指定された業者がご自宅を訪問し、検査機器の装着方法を丁寧に説明します。
ご高齢の方でも安心して検査を受けていただけます。
STEP4:ご自宅での検査
ご自宅で1晩、複数のセンサーを装着して就寝していただきます。
検査では呼吸の流れ、胸やお腹の動き、酸素飽和度、いびきなどを同時に記録します。
2日間の検査が終わったら、機器を返却していただきます。
STEP5:結果説明
検査結果をもとに、無呼吸や低呼吸の回数(AHI)を算出し、睡眠時無呼吸症の診断を行います。
診断結果に応じて、適切な治療方法をご提案いたします。
アレルギー科
アレルギー科は花粉、ハウスダスト、食べ物、薬、虫刺されなど、本来は無害な物質に対して体が過剰に反応してしまう症状を診る専門科です。
症状の原因を見つけて、症状を和らげたり再発を防いだりするための検査や治療、生活指導を行います。
このような方におすすめです
- 繰り返す鼻水、鼻づまり、くしゃみがある方
- 目のかゆみや充血が気になる方
- 咳が長引いている、夜間の咳が気になる方
- 息苦しさを感じる、ゼーゼー、ヒューヒューという音がする方
- ペットと接すると症状が出る方
- 特定の食べ物でかゆみや蕁麻疹が出る方
- 過去に蜂に刺されたことがある方
季節ごとにくしゃみや鼻水、目のかゆみが出る方は花粉症の可能性があります。
特定の食べ物を食べた後に口や皮膚に症状が出る場合は食物アレルギーが考えられます。
風邪ではないのに長引く咳や息苦しさがある場合は、アレルギー性の喘息かもしれません。
アナフィラキシーとは
アナフィラキシーはアレルギー反応が全身に急速に広がり、命に関わる危険性がある状態です。
食べ物、薬、蜂毒といった原因となる物質に触れてから、数分~数十分以内に急激に症状が進むのが特徴です。
全身の蕁麻疹、呼吸困難、血圧低下(気分が悪くなる)、意識がもうろうとする、皮膚が赤くなる、顔や唇のむくみ、消化器症状(下痢、嘔吐、腹痛)のうち、いずれか2つ以上の症状が同時に現れた場合にアナフィラキシーと診断します。
主な原因
- 食物:卵、牛乳、小麦、ナッツ類、エビ、カニなど
- 薬:抗生物質、解熱鎮痛薬など
- 蜂刺傷:スズメバチ、アシナガバチなど
- ラテックス:ゴム手袋など
- 運動誘発性アナフィラキシー
原因となる物質は人によって異なり、初めて口にする食品や薬でも起こることがあります。
エピペン(アドレナリン自己注射)による治療
アナフィラキシーの治療で最も重要なのは、アドレナリン(エピペン)を早期に投与することです。
エピペンは太ももに自分で注射するだけで使用でき、呼吸の苦しさや血圧低下を改善します。
救急搬送されるまでの間、命を守る時間を確保するための重要な治療です。
使用すべきか迷った場合でも、まずは救急車を呼んでください。
救急隊が到着すれば状況を判断し、適切な対応を行います。
お守りのように携帯しておくことで、いざという時に安心です。
当院のアレルギー科における特徴
詳しいアレルゲン検査で原因を特定
当院では血液検査ではアレルゲンを特定するための検査を実施しており、100種類以上のアレルゲン検査に対応しています。
花粉、ダニ、カビ、虫、動物、食物など、心当たりのあるアレルギーの原因物質について詳しく調べることができます。
また、代表的なアレルゲンをセットにしたVIEW39検査を実施しており、一度の採血で主要な39項目のアレルゲンを調べることができます。
原因が明確になれば、その物質を避ける生活指導や適切な治療を行うことが可能です。
内服薬や吸入薬で効果が不十分な場合の注射治療
内服薬や吸入薬で症状がコントロールできない場合は、抗アレルギー注射による治療も行っています。
当院ではゾレアやヒスタグロビンといった注射薬を取り扱っており、重症のアレルギー症状に対しても専門的な治療を提供しています。
アナフィラキシーへの対応
アナフィラキシーは全身性の重症アレルギー反応で、迅速な対応が大切です。
当院では救急専門医が在籍しているため、アナフィラキシーの診断と初期対応が可能です。
エビやカニ、卵などの食物や蜂毒が体に入ることで急激にアレルギー反応が起きて発症します。
症状を抑えるにはエピペン(アドレナリン自己注射)が必要です。
当院では保険診療でエピペンを処方しており、使用方法の指導も丁寧に行います。
過去に蜂に刺されたことがある方、すぐに蕁麻疹が出てしまう方、症状に心当たりがある方はお気軽にご相談ください。
当院で行っているアレルギー注射治療
ゾレア(抗IgE抗体療法)
ゾレアはアレルギーを引き起こすIgE抗体に直接働きかけ、IgEが細胞に結合してアレルギー反応を起こす仕組みそのものを弱める治療です。
一般的な薬が出てしまった症状を抑えるのに対し、ゾレアはアレルギー反応が起こる最初の段階を抑えます。
対象となる方
重症スギ花粉症で日常生活に大きな支障がある方が対象です。
- 内服薬、点鼻薬、点眼薬を使っても症状が強い方
- 内服薬の副作用が強くて飲めない方
- 仕事や受験など大切な時期に症状で困っている、学業に集中できない方
- 花粉飛散期に外出が困難になる方
アレルギー性鼻炎の重症度分類
| 重症度 | くしゃみ・鼻水 | 鼻づまり | 日常生活への影響 |
| 軽症 | 1日に数回程度 | 口呼吸はない | ほとんど支障なし |
| 中等症 | 1日に11回以上 | 鼻が詰まって苦しい | 仕事や家事に影響あり |
| 重症 | 1日中症状が続く | 完全に詰まって口呼吸 | 仕事や勉強ができない |
| 最重症 | 1日中症状が続く | 完全に詰まって口呼吸 | 外出困難、夜眠れない |
治療の流れ
対象となるのは体重20〜150kg、年齢12歳以上の方です。
STEP1:問診
問診で症状の程度を詳しく確認し、重症スギ花粉症かどうかを判定します。
STEP2:血液検査
スギ花粉に対する特異的IgE抗体の値と反応性を確認します。
STEP3:治療
内服薬、点鼻薬、点眼薬などの一般的な治療を処方し、少なくとも1週間継続します。
STEP4:ゾレアの適応判断(内服薬や点鼻薬などの治療で症状が改善しない場合)
一般的な治療の効果と血液検査の結果から以下の条件を基準にゾレアの適応を判断します。
- 一般的なの治療では効果が不十分
- 特異的IgE抗体値:30〜1,500IU/mL
- スギ花粉抗原に対する反応がクラス3以上(目安)
STEP5:投与開始
投与量と投与間隔(2週間ごと、または4週間ごと)は、IgE抗体値と体重によって決まります。
効果は、投与から数日後から2週間程度で現れ始め、約1か月間効果が持続するといわれています。
費用
保険適用で1か月あたり約1万円〜3万円程度です。
投与量によっては費用が変動することがあります。
中学生の患者様は倉敷市の子ども医療費助成制度の対象となります。
ヒスタグロビン
ヒスタグロビンは微量のヒスタミンを投与することで、体がヒスタミンに徐々に慣れるように働きかけ、アレルギー反応に対する過敏性を下げていく治療です。
製剤に含まれる免疫グロブリンがアレルギー反応を間接的に弱める特徴があります。
アレルギー反応そのものを起こりにくい体質へと整えていくことを目指します。
対象となる方
アレルギー疾患全般に対応しており、内服薬だけでは症状が十分にコントロールできない方に適しています。
ゾレアと異なり厳しい条件はなく、季節を問わず1年を通して治療を受けることができます。
ただし、生理中の女性はホルモンバランスの影響で一時的に症状が悪化する可能性があるため投与を避けます。
また妊娠中の方や喘息発作が起きている方も、症状が悪化する恐れがあるため投与できません。
治療の流れ
費用
ヒスタグロビンは導入治療で約3,000円程度です。
ペインクリニック科
ペインクリニック科は痛みの専門外来です。
頭痛、肩こり、腰痛、神経痛、手術後の痛み、慢性的な痛みなど、つらい痛みを和らげて日常生活の質を高めることを目的としています。
特に、整形外科など他の診療科で改善が見られなかった痛みに対しても、神経ブロック注射や薬物療法などを用いて、より専門的な治療で痛みの緩和を目指します。
痛みの場所だけでなく、発症の経過や生活への影響、精神面や過去の治療歴まで含めて詳しく診察し、原因に応じた最適な治療法を提案します。
痛みは我慢すると悪循環に陥り長引くきっかけになります。
お気軽にご相談ください。
このような方はご相談ください
- 他の病院で治療を受けたが改善が見られない
- 痛みの原因がはっきりしないと言われた
- 内服薬では効果が不十分、または副作用で飲めなかった
- 神経ブロック注射など、他の治療法について知りたい
- ビリビリ、ジンジンとした痛みがある
- 触れるだけで痛い
- 夜、痛みで眠れない
- 帯状疱疹後の痛みが続いている
- 顔面麻痺が治らない
痛みとは
痛みは体に起きている異常や危険を知らせるための警報のような役割を果たしています。
ケガや炎症だけでなく、神経の問題、ストレス、姿勢、生活習慣など、さまざまな要因によって引き起こされます。
痛みの種類
| 痛みのタイプ | 原因 | 痛みの特徴 |
| 侵害受容性疼痛 | ケガや炎症など組織の損傷 | ズキズキ、ジンジンとした痛み |
| 神経障害性疼痛 | 神経そのものの問題 | ピリピリ、ビリビリとした痛み、しびれを伴う |
| 心因性疼痛 | ストレスや不安 | 検査で異常が見つからないのに痛みが続く |
| 慢性痛 | 複数の要因が重なる、神経が痛みを記憶 | 原因が治った後も痛みだけが残る |
痛みの悪循環について
痛みを我慢し続けると、体と心の両面で悪い循環が生まれ、症状が長引いたり悪化したりする原因となります。
痛みが続くとどうなるか
痛みがあると、無意識のうちにその部分をかばうようになります。
すると筋肉が緊張して硬くなり、血流が悪くなります。
血流が悪くなると酸素や栄養が十分に届かず、痛みを起こす物質(プロスタグランジンなど)が溜まりやすくなり、さらに痛みが強くなります。
また、痛みが続くと気分が落ち込んだり、イライラしたり、眠れなくなったりします。
ストレスや睡眠不足は痛みに対する感覚を敏感にするため、より痛みを感じやすくなってしまいます。
痛みの悪循環を断ち切るために
この悪循環を断ち切るには、早い段階で適切な治療を始めることが大切です。
痛みを我慢せず、早めに受診することで、症状が慢性化する前に改善できる可能性が高まります。
主な病気について
頭痛
頭痛は、頭の血管や神経、筋肉などが刺激されることで生じる痛みの総称です。
脳そのものには痛みを感じる部分がないため、実際に痛みを引き起こしているのは、硬膜や血管、頭の筋肉、三叉神経など周囲の組織です。
痛みの感じ方は「ズキズキする」「締めつけられる」「片側だけ痛む」など、人によってさまざまです。
頭痛が起こる仕組みにはいくつかの要因が関わっています。
代表的なのは、三叉神経と血管の反応です。
神経が刺激されると炎症を引き起こす物質が放出され、血管が広がって痛みや吐き気、光や音に敏感になるといった症状が現れます。
また、頭痛が続くことで脳が痛みに敏感になり、わずかな刺激でも痛みとして感じやすくなることがあります。
首や肩の筋肉がこわばることも頭痛の原因になります。
姿勢の乱れや長時間のデスクワーク、ストレスなどで筋肉が緊張し、頭の周囲の筋膜が引っ張られて締めつけられるような痛みが生じます。
さらに、自律神経のバランスが崩れると頭痛が起こりやすくなり、めまいや吐き気、天候による悪化などがみられることがあります。
三叉神経痛
三叉神経痛は顔面に突然起こる激しい痛みが繰り返される病気です。
数秒から数十秒の鋭い電撃のような痛みが顔の片側に起こるのが特徴です。
鼻の横、口の周り、頬などを軽く触れるだけで痛みの発作が誘発されることがあります。
最も多い原因は、三叉神経の根元が血管(主に上小脳動脈)によって圧迫され、神経が傷つくことで異常な興奮が生じることです。
頭部MRI検査で診断を行います。
また、帯状疱疹が三叉神経に発症して痛みが出ることもあります。
治療について
内服薬ではカルバマゼピンが使用されますが、効果が得られないこともあります。
また併用注意の薬が多く、眠気、ふらつき、吐き気といった副作用も多いため、内服が困難な場合があります。
内服薬で効果が不十分な場合は神経ブロック治療を行います。
三叉神経は顔面で3つの枝に分かれており、それぞれの痛みの場所に合わせて注射を行います。
| 三叉神経 | 痛みが出る場所 |
| 第1枝(眼神経) | 前額部、眼の周囲 |
| 第2枝(上顎神経) | 頬、上唇、上歯 |
| 第3枝(下顎神経) | 下顎、下唇、下歯 |
帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹は子どもの頃に水ぼうそうにかかった時に体内に侵入したウイルスが、治った後も脊髄神経節や三叉神経節に潜んでいることで起こります。
加齢、疲労、ストレス、免疫力の低下などをきっかけにウイルスが再び活性化し、神経に沿って炎症を起こしながら皮膚に発疹を出すのが帯状疱疹です。
ウイルスが神経細胞を強く傷つけるため、痛みは強く、神経の修復に時間がかかり痛みが長期にわたります。
ビリビリとした神経痛や、衣服がこすれるだけで痛いといった症状が特徴です。
3か月以内に多くの方は徐々に改善していきますが、帯状疱疹の治療開始が遅れたり痛みを放置したりすると、約20%の確率で痛みが慢性化します。
帯状疱疹が慢性化しやすい方
- 高齢者(特に60歳以上)
- 急性期の痛みが強かった方
- 発疹が重症だった方
- 顔面や胸部に帯状疱疹が出た方
治療について
ロキソニンやアセトアミノフェンなどの一般的な痛み止めでは効果が不十分なことが多く、より強い痛み止めである非麻薬性オピオイド(トラマールなど)が必要になる場合があります。
痛みが出始めた初期からしっかりと痛みを抑えることが大切です。
内服薬で効果が不十分な場合は、痛みの部位に応じた神経ブロック治療を行います。
| 痛みの部位 | 神経ブロックの種類 |
| 顔面 | 三叉神経ブロック |
| 首や腕 | 星状神経節ブロック |
| 胸部、腹部、両足 | 硬膜外ブロック |
当院では帯状疱疹ワクチンによる予防から、早期診断と治療、そして内服薬と神経ブロックを組み合わせた痛みの管理まで、一貫して対応しています。
当院のペインクリニック科における特徴
痛みそのものに向き合う診療
多くの診療科では痛みに対して病気を探し、検査で異常が見つからなければ原因不明として終わってしまうことがあります。
痛みは病気ではなく症状です。
当院では、どんな病気が原因かではなく、なぜ痛みが続いているのかを探ることに重点を置きます。
病気を治すのではなく、痛みそのものを和らげることが治療の中心です。
時間をかけた丁寧な問診
痛みの背景を理解するために、当院では問診を診断の中心として、十分に時間をかけて行います。
痛みがズキズキするのか、ビリビリするのか、重苦しいのか、締めつけられる感じなのかといった性質を確認します。
いつ、どこで、どのような動作をしている時に痛みが出るのか、日常生活や仕事にどのような影響が出ているのかを伺います。
ストレスの状況や睡眠の質についても確認し、これまで受けた治療内容や使用した薬の効果についても詳しくお聞きします。
こうした詳細な情報を丁寧に聞き取り、痛みの全体像を把握することで、一人ひとりに最適な治療方針を立てていきます。
複数の治療法を組み合わせた専門的なアプローチ
当院では薬物療法、物理療法、リハビリといった一般的な治療に加えて、麻酔科医の専門性を活かした神経ブロック治療を提供しています。
神経ブロックは痛みを伝える神経に直接アプローチすることで、痛みの悪循環を根本から断ち切ります。
これらの治療を患者様の痛みの状態や生活背景に応じて適切に組み合わせることで、より効果的な痛みの緩和を実現します。
各種ブロック治療について
当院では麻酔科専門医による各種神経ブロック治療を実施しています。
痛みの部位や原因に応じて最適な治療法を選択し、痛みの緩和を目指します。
トリガーポイント注射
筋肉が硬くこわばった部分に局所麻酔薬を注射する治療法です。
頭痛、肩こり、腰痛、背中の張りなど、筋肉が原因となる痛みに対して効果を発揮します。
筋肉であればどの部位にも対応できます。
効果が期待できる症状
- 頭痛
- 肩こり
- 腰痛
- 背中の張り
星状神経節ブロック
首の部分にある交感神経の集まりをブロックすることで、自律神経の過剰な興奮を抑えます。
血流を改善し、筋肉の緊張を和らげ、神経の興奮を鎮める働きがあります。
効果が期待できる症状
- 首こりが原因の頭痛
- 帯状疱疹後の顔面痛
- 顔面神経麻痺による顔の筋肉の動きにくさ
- 歯を磨く時や噛む時に響く三叉神経痛
- 突発性難聴による耳鳴り
- 首の痛み
- 強い肩こり
- 手掌多汗症
硬膜外ブロック
腰の脊髄周囲に薬液を注入し、脊髄に直接働きかけることで、痛みが脳に伝わるのを遮断します。
神経周囲の血流を改善し、炎症を抑える効果もあります。
効果が期待できる症状
- 腰痛
- 坐骨神経痛
- 脊柱管狭窄症
- 腰椎ヘルニア
- 下半身の帯状疱疹後神経痛
肩峰下滑液包ブロック
肩のクッションとして働く肩峰下滑液包に薬液を注入し、炎症と痛みを抑える治療です。
痛みで動かせない肩の症状に効果的です。
効果が期待できる症状
- 五十肩
- 肩甲骨周囲痛
- 強いタイプの肩こり
後頭神経ブロック
後頭部の神経に働きかけることで、後頭部から頭頂部にかけての痛みを和らげます。
効果が期待できる症状
- 緊張型頭痛
- 後頭神経痛
よくある質問
医療法人博美会 渡辺医院では、循環器内科、呼吸器内科、アレルギー科、ペインクリニック科、肥満外来において、専門的な診療と充実した検査設備で地域の皆様の健康を支えています。気になる症状がある方、健康診断で異常を指摘された方は、お気軽にご相談ください。
