鉄は体内の酸素の運搬や貯蓄に強く関わる栄養素です。
鉄不足でまず思い浮かぶ症状は貧血でしょう。
健康診断などの血液検査で貧血ではないから鉄不足は無いだろうと考えてしまいがちですが、貧血でなくとも潜在的な鉄欠乏の方はおられます。
例えば、貧血治療経験のある女性が特にわけもなく気が滅入ってきたとします。
なぜ鉄が不足するとメンタルが不安定になるかというと、やる気を高めるノルアドレナリン・ドーパミン、興奮と抑制のバランスを調整するセロトニンといった脳内神経伝達物質が、タンパク質を原料として造られる際に鉄が必要だからです。
もし鉄欠乏が明らかとなった場合どう対応するべきでしょうか?
まず、鉄分豊富な食材を意識的に摂ります。
牛・豚・マグロ等の赤身肉やレバーに含まれる動物由来の「ヘム鉄」、小松菜・海苔・パセリといった植物系食材に含まれる「非ヘム鉄」、吸収がよいのは前者ですが、両方一緒に摂るのが効果的です。
医院からは鉄剤の飲み薬が処方されます。
むかつきや便秘などの副作用で苦手な方もおられますが、お気軽にご相談ください。
今年度の インフルエンザワクチン 開始いたしました。
ご希望の方はお申し出ください。予約は不要です。
接種券をお持ちの方は忘れずにご持参ください。
9月に入り、体育祭や文化祭等屋外でのイベントも多くなる季節ですが、まだまだ暑さは否めません。
熱中症予防は水分補給だけではなく「塩分補給」もポイントと言われていますが、市販されている塩は、塩化ナトリウムの含有量が90%以上のものが多く、他にカルシウム、マグネシウム、カリウム等が微量に含まれています。
これらは、「ミネラル」と呼ばれ、体内で合成することができないので、食事からとる必要があり、ビタミン同様に体に必要不可欠な栄養素になります。
しかし、多く摂りすぎると過剰症を引き起こし、ナトリウムの摂り過ぎは高血圧症など生活習慣病とも大きな関わりがあります。
ナトリウムの働きは、細胞外液の浸透圧の維持、筋肉や神経の興奮を抑えることです。
大量の汗をかいたり等で大量にナトリウムが排泄されると倦怠感や食欲低下となります。
しかし、日本人は食事から塩分を必要以上とっているので、普通の食事では不足することはありません。
過剰症では高血圧症以外にも、体のミネラルバランスが崩れむくみにもつながりますので、過剰摂取は注意が必要です。
お盆を過ぎても蒸し暑い日が続き、まだまだ冷房をかけたままの一日になりそうです。
「冷え」は冬に特有のものだと考えがちですが、近年、エアコンの普及や過度な冷房使用などにより、夏場でも冷えを感じる人が増えています。
漢方外来でも季節を問わず、また、年齢や性別を問わず冷えを訴える方は多くなっています。
漢方では「冷えは万病のもと」と言われるほど、冷えは様々な症状の原因やその悪化、慢性化の原因になると考えます。
実際に冷えを改善することで同時に頭痛、肩こり、腰痛、手足のしびれや痛み、月経不順、月経困難、便秘、下痢、頻尿、睡眠障害、倦怠感などのさまざまな症状が改善されることも多くみられます。
冷えに対しても、効果のある漢方薬を使うことはもちろん有効ですが、漢方では「養生」といって、日常生活上の注意も大切と考えます。
健康を維持・増進するために、また病気にかからないように、食事や運動など生活上の注意を守って過ごすことを漢方医学では養生といい、とても重要とされています。
冷えに対しても養生、日常生活の中のさまざまな要素を見直すことが大切です。
お盆休み(夏季休暇)のお知らせ
8月11日(日)~15日(木)までお盆休み(夏季休暇)とさせて頂きます。
蒸し暑い梅雨が明け、いよいよ夏本番です。
食欲が減りやすくなる為、そうめん・冷やし中華をはじめ、麺類の登場が増える季節です。
特に麺類を食べる時、食事バランスが崩れていませんか。
バランスの良い食事とは主食・主菜・副菜が揃っている食事ですが、特に【主菜】が抜けがちではありませんか?
【主菜】とは主にたんぱく質を含む食品、肉・魚・卵・大豆製品を使用した食材をさします。
たんぱく質は筋肉や臓器など体を構成する重要な成分です。
酵素・ホルモン・免疫抗体などの原料にもなり、栄養素の運搬にも関与しています。
人体は10万種類以上のたんぱく質で構成されています。
たんぱく質の摂取が不足すると、人体を構成するたんぱく質が分解され、体力や免疫力が低下します。
夏バテしないためには、火を使わずとも用意でき、たんぱく質を摂取できる食品が便利です。
豆腐(冷奴)・厚揚げ(トースターで焼く)・豆乳・出来あいの茶碗蒸し・魚の缶詰等、食欲が落ちて主菜が抜けがちな時、利用してみてはいかがでしょうか。
今年も既に半分が過ぎようとしています。
気温も徐々に暑くなり始め6月と言えば梅雨の時期です。
湿気が多い季節なので過ごしにくいと感じる方も多いと思います。
梅雨の時期は日によって、時には1日の中でも時間によって暑かったり、急に雨が降ったりするなど、気温、気圧、湿度の変化が大きい季節です。
これらの気象の変化が身体にストレスを与えているようです。
こうした環境が続くと自律神経が乱れ、手足が冷える、肩がこわばる、体にだるさを感じる、頭痛が起こるなど、身体に影響を与えることがあります。
気象の変化に負けない体づくりが健康維持の一つになります。
体調を崩しやすい梅雨の時期だからこそ、体調管理に気を配りませんか。
改めて「規則正しい生活」に目を向けてみましょう。
睡眠は充分でしょうか。
運動習慣は身についていますか?しっかり食事をとっていますか?ストレスの発散も必要です。
梅雨が明けると、暑い夏がきます。
暑さで体調を崩してしまう懸念もあるので、今から元気な体作りをして、夏に備えましょう。
当院は、院内感染防止対策として、必要に応じて次のような取り組みを行っています。
・感染管理者である医師が中心となり、従業員全員で院内感染対策を推進します。
・院内感染対策の基本的考え方や関連知識の習得を目的に、研修会を年2回実施します。
・感染性の高い疾患(インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症など)が疑われる場合は、一般診療の方と分けた診療スペースを確保して対応します。
・抗菌薬については厚生労働省のガイダンスに則り、適正に使用いたします。
・標準的感染予防策を踏まえた院内感染対策マニュアルを作成し、従業員全員がそれに沿って院内感染対策を推進していきます。
・感染対策に関して基幹病院と連携体制を構築し、定期的に必要な情報提供やアドバイスを受け、院内感染対策の向上に努めます。
・受診歴の有無にかかわらず発熱患者等の受け入れを行います。
5月、それぞれの新生活が始まり、怒涛の様な1か月が過ぎました。
しかし、ゴールデンウィークで休んだはずなのになんだか体が重い、気分が憂鬱、食欲がない、前向きな気持ちになれず学校や仕事になんとなく行きたくないという方はいませんでしょうか。
新しい環境で体験するストレスは、新入生や新入社員が成長するために必要な「肥料」のようなものですが、ストレスをため過ぎると、心身の不調をきたしてしまいます。ストレスが溜まりにくい考え方を身に着ける事も効果があります。
たとえば「~すべき」などの極端な思考は避けた方がいいでしょう。
自分ひとりで抱え込まず同僚や友人、家族の力も借りながら、ゆっくりとストレスを自らの力に変えていきましょう。
自己肯定感、自己重要感は人間の部分を支える重要な感覚です。
しかし、新しい環境では何かとうまくいかなかったり、叱られることが多くなったりして自信を失いがちです。
だからと言って自信を失う必要はないのです。
誰しも初めてのことをうまくできるはずがありません。
焦って自分を責める前に頑張っている自分を褒めてあげましょう。
新型タバコと言われるものは大きく分けて「電子タバコ」と「加熱式タバコ」の二つに分かれます。
健康への影響について日本呼吸器学会は、先ごろ新型タバコは「健康に悪影響がもたらされる」「受動吸引による健康被害が生じる」可能性があることを指摘し警鐘を鳴らしました。
いくつかの分析によれば加熱式タバコと従来の紙巻きタバコとを比べた結果、依存性の強いニコチンはほぼ同量含まれ、発がん性を含んだ有害化合物も数分の1に減ってはいるものの間違いなく含有されていることが明らかとなっています。
煙の周囲への影響についてはどうでしょうか。
確かに加熱式タバコは煙がほとんど出ず副流煙は存在しませんが、代わりに目に見えないエアロゾルが呼出されます。
分析の結果、このエアロゾルにも発がん性を含んだ有害化物が含まれる事が判っています。
巻きタバコから新型タバコに変えた方々の胸の内を考えてみると、タバコの有害性から逃れたい願望が見え、おそらく禁煙の入り口に立っておられるのだと思われます。
ぜひもう一歩踏み出し入り口の扉を開け、完全禁煙を目指していただけたらと願います。
当院では、禁煙外来を実施していますので、お気軽にお越し下さい。
当通所介護事業所における介護職員処遇改善・職場環境要件について
職場環境要件として、下記のとおり取り組んでおります。
◆入職促進に向けた取り組み
・他産業からの転職者、主婦層、中高年齢者等、経験者・有資格者等にこだわらない幅広い採用の仕組みの構築
◆資質の向上やキャリアアップに向けた支援
・働きながら介護福祉士取得を目指す者に対する実務者研修受講支援や、より専門性の高い介護技術を取得しようとするものに対する喀痰吸引、認知症ケア、サービス提供責任者研修、中堅職員に対するマネジメント研修の受講支援等
◆両立支援・多様な働き方の推進
・有給休暇が取得しやすい環境の整備
◆腰痛を含む心身の健康管理
・短時間勤務労働者等も受診可能な健康診断・ストレスチェックや、従業員のための休憩室の設置等健康管理対策の実施
◆生産性向上のための業務改善の取組
・業務手順書の作成や、記録・報告様式の工夫等による情報共有や、作業負担の軽減
◆やりがい・働きがいの醸成
・ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化による個々の介護職員の気づきを踏まえた勤務環境やケア内容の改善
ノロウイルスはヒトの小腸の粘膜で増殖するウイルスです。
感染経路には、カキを含む二枚貝の関与が指摘されています。
原因としては、水やノロウイルスに汚染された食品、特にカキを含む二枚貝が多く報告されています。
また、感染した人の便や吐物に接触したりすることにより二次感染を起こすことがあります。
潜伏期間は24~48時間で、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱が主症状です。
通常3日以内で回復します。
ノロウイルス特有の治療薬はないので予防が大切です。
発症しても風邪のような症状で済む人もいます。
治療の基本となるのは対症療法で、脱水症状を防ぐために十分な水分補給を行い、栄養を取りながら安静を保ちます。
予防策としては、カキなどの二枚貝は中心部まで十分に加熱してから食べましょう。
85℃~90℃で90秒間以上の加熱によりウイルスは感染力を失うとされています。
湯通し程度の不十分な加熱ではウイルスの感染力は失われません。
また、生鮮食品(野菜、果物など)は十分に洗浄しましょう。
トイレの後、調理をする際、食事の前にはしっかり手を洗いましょう。
今回は亜鉛がテーマです。
亜鉛は人体にとって重要な微量ミネラルであり、骨、筋肉、肝臓、腎臓など全身に分布し生体内の300以上の酵素反応に関与していますので、亜鉛不足による症状は実に多彩です。
症状には「皮膚炎、口内炎、脱毛症、食欲低下、易感染症、味覚障害、貧血、不妊症」などが挙げられます。
蚊に刺された跡がいつまでも残ったり、化膿しやすい時は亜鉛不足を疑う必要があります。
易感染症はウイルスを退治するTリンパ球の機能低下が原因ですので、やけに風邪をひきやすい場合は一度亜鉛不足をチェックすると良いでしょう。
また、脳の働きにも重要な役割を果たしており、記憶を司る脳の海馬には亜鉛が多く存在するので亜鉛不足は記憶低下につながります。
また「やる気ホルモン」と呼ばれる脳内ドーパミンの合成が減るためうつの原因にもなります。
亜鉛不足にならない為の食材での補充は牡蠣、牛肉、豚肉のレバー、卵等が推奨されます。
亜鉛不足に陥らぬよう十分な注意が必要です。
冬季は空気が乾燥しています。
空気が乾燥すると鼻や喉の粘膜も乾燥して弱くなり、ウイルスなどに感染しやすくなります。
このため冬季に加湿器を使われる御家庭も多いかと思います。
しかし、加湿器は衛生的に正しく使用しないと肺炎の原因になる事があるので注意が必要です。
加湿器を衛生的に正しく使用していないと加湿器の水がカビや細菌、微生物などで汚染され、それらが空気中に拡散されます。
それを何度も吸い込み、それらに対して肺がアレルギー反応を起こすことで発症するのが加湿器肺炎です。
咳、発熱、呼吸困難などが主な症状です。通常の細菌性肺炎と似ているため、すぐに診断するのが難しく、病院で処方された抗生剤で治療しても改善しない、加湿器を使用している自宅にいると症状が悪化する、などのエピソードが加湿器肺炎を疑うきっかけになります。
軽い加湿器肺炎の場合には加湿器の使用をやめるだけで自然に良くなります。
加湿器の水がカビや細菌などで汚染されないように毎日加湿器の水を取り替えましょう。
また、定期的な加湿器内部の掃除などできちんとメンテナンスしましょう。
2023年12月 院長コラム インフルエンザについて
朝晩に真冬の到来を告げる様な寒さを感じるようになりました。
岡山県では「インフルエンザ警報」を発令し注意喚起を促しています。
体調管理に注意し、感染予防に努めましょう。
発熱等の症状が出た場合は早めに医療機関を受診して下さい。
通常、感染すると数日間の潜伏期間の後、寒気がして、38~39度を超える高熱や頭痛、筋肉痛、関節痛がおこります。
治療としては、皆さんもよくご存じのイナビルやタミフル等を投与します。
これらはウイルスの増殖を阻止する効果がありますが、体内に残存しているウイルスへの生体防御反応を活かして治療の効果を上げたい場合には、漢方薬を併用することもあります。
例えば、乾いた咳には麦門冬湯や清肺湯を用いますし、喉の痛みには葛根湯を使用する場合があります。
インフルエンザは、潜伏期間があるため、検査で結果が陽性にならなくても、急に高熱になって症状が出る場合があります。
特に高齢者の場合、高熱で体力を奪われ、生命を奪いかねない状況に陥る可能性があります。
重症者リスクが高い方はワクチン接種も検討しましょう。
本年の、年末年始の休診予定は以下の通りです。
・12月28日(木) 通常通り診察
・12月29日(金)~1月3日(水) 休診
・ 1月 4日(木) 通常通り診察
12月の糖尿病外来の日程をお知らせ致します。
12月13日(水)、14日(木)、15日(金)
担当 糖尿病専門医 総合内科専門医 渡辺友紀恵
頭痛をきたす病気にはどのようなものがあり、それらの症状にはどのような特徴があるかを知ることで、過度な不安を避けられるかもしれません。
くも膜下出血、脳出血など、突然の痛み、今までに経験したことのない激しい痛みであり、加えて意識が朦朧としている、言葉がうまく出なくなったなどの症状を伴っている場合は要注意です。
いわゆる風邪と呼ばれる状態でも頭痛を伴うことはよくありますがほとんどが数日もすれば軽快するものです。
ただし、細菌性髄膜炎は注意が必要です。
嘔吐を繰り返す、意識が朦朧としている、首を前に曲げることが困難、頭を左右に振ると痛みが増強するなどがあります。
次に頭痛をきたす病気で最も多いのは緊張型頭痛といわれています。
緊張型頭痛は肩や首の筋肉のコリが原因となる頭痛で、痛み方はズキズキではなく、頭を両側から締め付けられる感じの痛みです。
普段から比較的頭痛はよくあるという方でも、いつもの頭痛と違っておかしいと感じるようでしたら、安易に痛み止めだけで様子をみるのではなく医療機関への受診をお勧めします。
10月になると「秋晴れ」というように過ごしやすい天候が多い為、散歩がしやすい季節だと思います。
散歩に行く際に「歩数」は気にしたことはありますか?
日常生活での活動量が多い方や運動をよくされる方は、病気の罹患率や寝たきり、死亡率が低いことが知られています。
また、海外の研究では歩数が1000歩増えるとウエスト周囲径は10%減少するといわれ、ダイエットやメタボ予防にも効果的であることが分かっています。
運動するときに心がけることとして【何とか会話ができる程度】での負荷量が強すぎず無理のない範囲で実施するようにしましょう。
そして、朝にウォーキングする方が多いかもしれませんが、1番良い時間帯は夕方の16~18時の体温が1番上昇する時間です。
朝は水分が足りてなくそのまま運動するのは脱水症になる危険性が高く脳卒中や心疾患を発症する可能性も出てくるため注意しましょう。
また、朝に運動する方はしっかり水分を摂り、準備運動を行ってから家を出るようにしましょう。
貧血の原因で多いもので一つはヘモグロビンを作る原料となる“鉄分”の不足で「鉄欠乏性貧血」と呼ばれるものです。
子供の成長期や妊娠時等の鉄需要増大に追い付かず鉄不足、ダイエット・偏食による鉄摂取不足がイメージしやすいと思いますが、慢性的な出血が原因であることも多く、注意が必要です。
例えば、胃潰瘍や胃がん・大腸がん・大腸ポリープなどの消化管出血、女性ですと子宮筋腫や子宮内膜症、子宮がんなどによる月経過多や不正性器出血です。
これらの場合は頑張ってレバーを食べたり、少量の鉄分を含むサプリメントだけではよくならず、貧血が進行する場合があります。
従って、原因の除去と医療用の鉄剤の服用が必要となります。
もう一つは、慢性疾患に伴う貧血です。
慢性の炎症性疾患、なかでも慢性感染症や関節リウマチ、腎疾患、悪性腫瘍、さらに腎不全や肝障害に伴う貧血があります。
この2つで貧血の大半を占めます。
貧血でお困りの方、また症状が無くても健康診断などで貧血を指摘された方は、隠れた重大な病気を見逃さない為にも、早めに受診するようにして下さい。
下肢静脈瘤とは、読んで字のごとく、“下肢”(足)、特にふくらはぎの、“静脈”(血管)に、“瘤”
(訓読みすると「コブ」)が出来る病気です。
重力に逆らいながら心臓へと血液を送っている静脈には、逆流を防ぐための弁が付いています。
この弁が何らかの負担により働きが悪くなり、血液が逆流し静脈にたまることによって起きま
す。
成人の約10人に1人、患者数は1,000万人以上がかかっているとされる非常に身近な病気です。
下肢静脈瘤で最も多い症状は、ふくらはぎの血管がモコモコッとコブのように膨らんだり、足
の細い血管が増え蜘蛛の巣のようになるというものです。
また、放置して進行が進んでしまうと、皮膚がカチカチに固まったり、さらには皮膚がはがれ
潰瘍を起こしてしまうこともあります。
マッサージ等行ってもなかなか改善しないむくみやだるさがあったり、これらの症状が強い場
合は下肢静脈瘤を疑い、一度診察を受けられることをお勧めします。
お盆休み(夏季休暇)のお知らせ
8月13日(日)~15日(火)までお盆休み(夏季休暇)とさせて頂きます。
皆さんは体力が落ちたと感じることはありませんか?
体力とは【行動体力】と【防衛体力】の二つに大別されます。
【行動体力】とは筋力・持久力(スタミナ)等身体的体力のこと。
【防衛体力】とは病気に対する免疫力、気温や環境の変化に応じて身体を調整する力、
不安や緊張に対する抵抗力であり、目に見えにくい能力とされています。
また、持久力、筋力が高い人ほど、心臓病をはじめとする様々な疾患にかかりにくいというこ
とを証明する多くのデータも出ています。
身体の著しい衰えは行動への制限だけでなく病気への発症率を高めたり、精神的ストレスへの
影響も大きく、それらが日常生活の質にまで影響をもたらします。
体力が一度落ちると回復には多大なる時間を要します。
年齢を重ねればただでさえ落ちていく体力は、向上を目指すのは容易ではありません。
普段から少しの努力で身体を動かすこと=まずは現状を維持することが大事になってきます。
どんなことでも、いつもより意識を高く持ち体を動かしてみる。
まずはここから始めてみてはいかがでしょうか。
2023年6月 院長コラム 自律神経について(その2)
今回は先月に引き続き、リラクセーション技法の中で最も手軽にできる呼吸法をご紹介します。
静かな環境の中で行います。落ち着く音楽をかけながら行っても構いません。
ベルトや眼鏡など、身体を締め付ける物をはずします。
しっかり椅子に座って背もたれに背中をつけ、楽な姿勢をとります。
あるいは、横になってもいいでしょう。
① 呼吸に意識を向け、1~2回の深呼吸の後に、口からゆっくり息を吐きます。
② 鼻からゆっくりと息を吸って下さい。お腹に風船を膨らませるつもりで大きく息を吸います。
③ 息を吸ったら、ちょっと息を止めます。
④ 口から細く長くゆっくりと息を吐きます。お腹をくぼませながら息を残らず吐き出します。
⑤ ②~④を数回繰り返します。
無理はしないように、特に呼吸器系の病気がある方は注意して下さい。
新年度が始まり1ヶ月が経過しましたが、今までとは違った環境下で緊張や不安を抱きながら
日々を過ごし、お疲れの方も多いのではないでしょうか。
人間には内臓や代謝などの機能を調整している自律神経があります。自律神経は交感神経と
副交感神経に分けられます。
交感神経が優位になる状態は「闘争か逃避」反応といって、例えばたとえば森の中で熊と鉢合
わせした時の反応です。
心拍数は増加し、血圧は上昇して筋肉が硬くなり、この場をどう切り抜けるかを考えるでしょ
う。
一方、副交感神経が優位になる状態は、心身がゆるんで、夜眠りにつく時の感じです。
この2つの神経が必要に応じて切り替わることによって、バランスを保っています。
しかし、緊張や不安が非常に強かったり長引いたりすると、バランスが崩れて眠れなくなった
り体調を崩したりします。
緊張や不安をもたらす原因のすべてを取り除くことは難しいかもしれませんが、自分自身で心
身のバランスをコントロールすることはできます。
次回、最も手軽にできるものとして呼吸法によるリラクセーションの方法についてご紹介しま
す。
桜の咲いた時期があっという間に終わり、暖かい日が続くようになりました。
当院にはご高齢の患者さんも多数来院されますが、皆様が心配されるのが骨粗鬆症(こつ
そしょうしょう)です。
・立ち上がる時や重い物を持つと、背中や腰が痛む。
・背中や腰が曲がってきた。
・身長が縮んできた。
このような訴えがある場合、骨粗鬆症を疑います。「鬆」は、松の葉が重なり、向こうが
透けて見えるさまから来ている言葉で、骨粗鬆症とは骨が透けてスカスカになる病気です。
骨粗鬆症を発症すると、転倒・転落による骨折をしやすくなり、「寝たきり」ひいては
「認知症」の原因になります。
特に女性の方は、60歳を超えると発症する確率が高くなります。
当院では、骨粗鬆症の検査結果が当日わかる装置を導入しています。
骨粗鬆症の注射及び内服治療も行っています。
予約は不要ですので、気になれば気軽に受診、相談して下さい。
2023年3月 院長コラム 現代人のマグネシウム不足について
寒さが和らぎ、少しずつ暖かい日が増えてきましたが、体調はいかがでしょうか。
今回は現代人のマグネシウム不足についてお話します。
昔も今も多い「脚のこむら返り」現象の多くはマグネシウム不足による筋肉の過収縮が原因と
考えられています。
現代的要因としてアルコール摂取量の増加や炎症性腸疾患の増加、さらには利尿剤や胃酸抑制
剤の多用に伴うマグネシウム減少も指摘されています。
こういったマグネシウム不足の背景に伴って日本人の体調がおかしくなり始めたとする見解が
あります。
高血圧や糖尿病が激増し、花粉症やアトピー性皮膚炎といった現代的疾患の増加がそれに当た
ります。
マグネシウム摂取を増やすためには、時に玄米食や五穀米を食べるのもよいでしょう。
いわゆる「まごわやさしい<豆・ゴマ・わかめ・野菜・魚・椎茸・イモ>」を重視し、食卓で
使う塩は、ラベルにマグネシウム含有量が多めに記載されている天然塩を使いましょう。
また、どこのスーパーでも購入できる「にがり液」も扱いやすい商品です。
毎日口にする味噌汁やスープなどに数滴垂らしてマグネシウム不足を解消しましょう。
2023年2月 院長コラム ヒートショックについて(その2)
今回は先月に引き続き、ヒートショックを予防する方法をご紹介します。
①脱衣所と浴室を暖かく
温度差があると、血圧が上昇します。脱衣所に暖房器具を入れて暖めておくことです。
②家族に声をかける
入浴中は血圧の乱高下による事故がおこるかもしれません。お風呂に入る時にはひと声かけて
おくことです。
③飲酒後の入浴をさける
飲酒によって血管が拡張し、血圧は下がります。その状態で入浴すると、余計に血圧の低下を
招きかねません。
④入浴前に血圧を測定する
特に高血圧の方、入浴前に血圧を測定しておき、普段よりも高ければ、時間をおいてから入浴
するか、その日は止めておくか臨機応変に対応して下さい
2023年1月 院長コラム ヒートショックについて
いよいよ冬本番の寒さが身に応えます。
ゆっくりとお風呂に入って体を芯から温めたいものですね。
ところがご用心です。ヒートショックに気を付けなければなりません。
ときには命にかかわることもあります。
今回はヒートショックの怖さとその予防法についてご紹介します。
急激な温度変化は体にダメージを与えるとヒートショックを起こす危険性があります。
実際、命を落とすこともある危険な現象です。寒い脱衣所から暖かい湯船に浸かった時や
暖かい室内から寒い廊下やトイレに行った時などによく起こります。
中でも、入浴中の心肺停止は65歳以上の方が全体の約80%を占めており、高齢者の方は
注意しなければなりません。
なぜ、入浴中が危険なのでしょうか。湯船に浸かると、血管は拡張しリラックス効果もあって
血圧は低下します。湯船から出ると血圧は上下しますが、熱いお風呂から出て寒い脱衣所へ
行くと血圧はさらに乱高下しやすくなります。
よって、心筋梗塞や脳卒中が起こるわけです。
2022年12月 院長コラム 新型コロナウイルス感染症について
3年ぶりに行動制限のない年末年始を迎え、何かとお酒を飲む機会が増えつつある方も多い
のではないでしょうか。
コロナウイルスの症状や感染経路をきちんと理解した上で、個々人が対策する必要があります。
具体的な症状が「発熱、空咳、倦怠感、下痢、結膜炎、頭痛、喉の痛み、味覚・嗅覚の消失」等に
なります。
意識しておきたいことは、コロナウイルスには潜伏期間があるため、発熱などの明確な症状が
なくとも、感染している可能性があることです。
次に感染経路についてですが、主に3つあります。
1つ目は、ウイルスのついた手で鼻や口などを触ることで起きる「接触感染」。
2つ目は咳やくしゃみなどによる「飛沫感染」。
3つ目は換気の悪い密閉空間で大きな声で会話する際などに発生する「マイクロ飛沫感染」です。
このように忘年会などの会食の場では、これら3つの経路は起こりやすい状況になります。
次に体調が悪い際は、絶対に無理をして参加してはいけません。
少しでも感染リスクを減らすために開催時間を短縮して行うなど対策をしっかりして楽しみ
たいですね。
2022年11月 院長コラム 漢方について(その2)
すっかり秋が深まり、日ごとに寒さが増していますが、天気が良い日の日中は暖かい気候が
続いております。
寒暖の差が激しいと、どうしても風邪をひいたりして鼻水が出るなどの症状が出てきます。
一口に「鼻水」といいましても「黄色い粘った痰や鼻汁が出る」ケースや「薄い水のような
鼻水が出る」など、症状により様々です。
漢方では、この鼻水の要因の一つとして「胃腸が虚弱化している」ことがあげられます。
「鼻の症状なのに、なぜ胃腸なの?」と不思議に思われるかもしれませんが、中医学では痰
や鼻水は胃腸で作られると考えています。
アレルギーによるものなのか、体調の不良によるものなのかで処方が異なることから、患者
さんの体調や生活歴等をよく確認してから処方します。
例えば小青竜湯は花粉症や鼻水、葛根湯加川きゅう辛夷であれば鼻風邪・風邪による鼻炎と
いうように、症状により使い分けます。
鼻水の症状はとても不快で、日常生活に影響が及ぶことも少なくありません。
漢方の視点で解決できることがあるかもしれませんので、一度相談してみて下さい。
10月になり、朝晩が急に寒さを感じるようになりました。
食欲の秋とともに、ダイエットに関する話題が増える時期でもありますね。
来院される患者さん(特に女性)から「痩せる漢方薬はありませんか」と聞かれることも
あります。
女性にとっては、悩ましいテーマであることは承知しておりますが、漢方の場合には、
痩せることそのものが目的ではなく、心身のバランスを取ることで自然に(結果的に)
その方にあった体重に戻ることが出来るという考え方で処方します。
例えば、市販もされている「大柴胡湯」は、ストレスもあり便秘がちな患者さんに処方
することで、便秘が解消され、結果的に体重が減少することもあります。
ただし、体質により効き目が異なることから、患者さんの体質をよく確認して処方しな
ければなりません。
急に体重が増えたり、減ったりするのは心身のバランスが崩れている証拠です。
原因で思い当たる節がない場合には、漢方の視点で解決できることがあるかもしれません。
おかしいなと思ったら、相談してみて下さい。
当院では、「かかりつけ医」機能を有する医院として、機能強化加算を算定しております。
以下の取り組みを行っております。
・健康診断の結果等の健康管理に係る相談に応じます。
・必要に応じて、専門医師や専門医療機関をご紹介させて頂きます。
・福祉・保健サービスに係る相談に応じます。
・診療時間外を含む、緊急時の対応方法等に係る情報提供を行います。
・必要に応じて、受診されている他の医療機関や処方されている医薬品を把握させて頂くため、
お薬手帳のご提示やご質問をさせて頂く場合がございます。予めご了承下さい。
朝晩が涼しくなりましたが、日中はまだまだ真夏日の様な気温が続いております。
体調はいかがでしょうか。
当院には、この時期に体のバランスを崩した患者さんが多く来院されます。
特にビジネスパーソンの方が、昨日まで元気だったのに、急に「嘔気、嘔吐を伴う下痢」を
訴えて来院され、多くの場合「感染性胃腸炎」と診断される可能性が高いと言えます。
この病気、実は冬季だけに限ったものでなく、当院では1年中、罹患した方が来院されます。
西洋医学的には、当該疾患にはウイルスに効く薬などの特効薬はありませんので、もっぱら
対症療法的に点滴などで自然に回復するのを待つしかないのが現状です。
一方、漢方では「五苓散」という薬があり、吐き気などの症状に対し、お湯に溶かして服薬
するとよいとされ、効きが速い方もおられます。
もちろん、手洗いやうがいなどの予防も大切ですが、疾患により対症療法だけでなく、漢方
の持つ治癒力に委ねる方法もあります。
ビジネスパーソンや小さいお子さんのいるご家族の方、上記のような場合には早めにご相談
下さい。
各地で35℃を超え、年々暑さが増す夏となっているように思いますが、皆様お変わりはございませんでしょうか?
新型コロナウイルスの第7派が急拡大している今日、当院でも「発熱予約外来」を設置しております。
風邪・インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症は、いずれも発熱や咳、咽頭痛、身体のだるさなど初期症状が似ています。
感染拡大防止のため、新型コロナウイルス感染症の疑いがある患者さんとそれ以外の患者さんが接触しない様、時間や場所を分けて診察を行っています。
そのため、発熱・咳・咽頭痛のいずれかの症状がある患者さんは、事前に必ず電話連絡をしてからご来院くださいます様お願い致します。
コロナ感染が怖くて受診を控えるということはかえって重症化を招いてしまったり、熱中症を見逃してしまう危険性があります。
少しでもおかしいなと思ったら、早めの受診をすることも大事です。
熱中症予防とコロナ対策にめまぐるしい日々が続きますが、体調を崩されませんようお気を付けください。
2022年9月より、木曜日の診療時間を以下のように変更させて頂きます。
木曜日
午前 8:30 ~ 12:30
午後 15:30 ~ 17:00
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。
今年も暑さが続くかと思われますが、暑さ対策は出来ているでしょうか。
アウトドアやスポーツなど、屋外に出る機会が多くなる季節ですが、一方で夏の暑さは
心臓に負担がかかり、心臓病を引き起こす場合があります。
心臓病というと、一般的には冬に多いイメージですが、夏も油断できない病気なのです。
暑くなると、どうしても「睡眠不足」「暑さ自体がストレスになる」「汗で体内の水分や
ミネラルが減少する」などが原因で、心臓に負担がかかります。そうなると、血液がドロ
ドロになりやすいため、心臓内で血栓ができやすく、できた血栓が脳へ行くと脳梗塞にな
る恐れがあります。
心臓への負担を減らすという意味でも、夏バテ対策としてよく言われる「水分を摂る」、
「冷房で適切に湿度調整する」などは必要です。
漢方では、清暑益気湯がよく処方されます。
体調が優れないと感じたら、心臓にも負担がかかっている可能性がありますので、早めに
医師に相談し、受診して下さい。
今年はすでに蒸し暑い日が続いておりますが、毎年この季節になると熱中症の患者さんが増え
てきます。
昨年はマスクをしていると熱の放散がうまく行かずに熱中症になってしまい「マスク熱中症」
というワードがテレビで取り上げられていました。昨年とはマスクの着用の考え方について、
対応が変わってきています。
特に夏場については、熱中症予防の観点から、屋外でマスクの必要のない場面では、マスクを
外すことを推奨すると厚生労働省が発表しています。
屋内外問わず適宜、水分摂取して頂くことをおすすめします。
口渇が出現してきた時点ですでに脱水は始まっています。
特に、高齢者は喉の渇きを感じる「口渇中枢」が弱くなっているため、実際には水分が必要な
状態であっても喉の渇きが感じにくくなると言われています。
高齢者の熱中症は半数以上が自宅で発生しています。
エアコンを使い、喉が渇いていなくてもこまめに水分補給をしましょう。
感染防止対策もしっかり行いつつ、適切な水分補給などで暑い夏を乗り切りましょう。
2022年5月 院長コラム 皮膚のトラブルについて
当院は、皮膚科を標榜していませんが、アレルギー科を標榜しているので、皮膚のトラブルを
抱える女性の患者さんが多く受診されます。
当院では、皮脂欠乏症や掻痒感(かゆみ)、尋常性疣贅(いぼ)などの治療を行うことがあり
ます。
最近は、ビーソフテンという、安価で保湿効果もある薬剤の使用で、皮膚の状態が改善される
ケースもあります。
通常、皮膚疾患にはステロイドという薬剤が広く使用され、一定の効果があるものの、継続し
て使用することでどうしても副作用が出るケースがあります。漢方を使って皮膚疾患の治療を
すすめることもあり、ヨクイニン(いぼに効果あり)や消風散(アトピー性皮膚炎)などは、
皆様もお聞きになったことがあるのではないかと思います。
もちろん疾患により難治性の場合もあり、その場合には皮膚科を紹介することもありますが、
皮膚疾患ははっきりと目に見えるという意味で、トラブルに不安を抱えることも多いと思いま
す。
おかしいなと思ったら、早めに当院までご相談下さい。
2022年4月 院長コラム ストレスや不安について
冬の寒さが和らぎ、春の陽気で心身ともに軽やかに感じる季節になりました。
漢方の基礎となる考え方で、春は「自然が成長し、新陳代謝が活発になる季節」であります
が、同時に季節の変わり目で生活環境が変わることも多く、ストレスや不安を感じやすい時
期でもあります。
特に、春はストレスが溜まると自律神経系や新陳代謝を担い、全身の「気」の流れをコント
ロールする肝機能が低下しやすくなり、精神を安定させたり、内臓の働きをスムーズに保つ
機能が乱れ、消化器系の不調や疲労感、イライラ、憂鬱といったさまざまな不調が現れるよ
うになります。
こうした不調は、今が過ぎればよくなる、というものではありません。
漢方による処方で、改善されるケースもあります。
せっかくの新しい季節を気持ちよく迎えるためにも、不調があれば遠慮なく当院にご相談下
さい。
3月になり、寒さもやや緩んできましたが、この時期に多くの方を悩ませるのは花粉症です。
花粉症とはある特定の花粉に対してアレルギー反応が起こることをいい、杉やひのき、
ブタクサ、ヨモギなどの花粉が飛ぶ時期に症状(鼻水、鼻づまりや、目のかゆみ、涙目、
肌荒れなど)が現れます。
西洋医学では、一般的に抗ヒスタミン剤や抗アレルギー薬が処方されますが、これらの問題点
は、広く知れ渡っておりますように「眠くなりやすい」ということです。漢方の場合、鼻水や
鼻づまり、くしゃみなどの症状そのものを抑える治療と、病気になりやすい体質を改善して
病気になりにくい体を作る治療に分かれます。
患者さんの症状に応じて、症状そのものを抑えるのみにするか、それとも体質改善を図るかを
決めます。
当院ではアレルギー科も標榜しており、花粉症による相談も徐々に増えています。
不快な症状が出始めたら、お気軽にご相談下さい。
まだまだ朝、晩の寒さが堪えますが、特に女性にとっては手足の冷えは氷水に手足が
浸かっているようで、とても辛いことかと察します。
暖かい血液を送りだす心臓から一番遠い足、それに手は冷えのセンサーですが、西洋
医学では冷えという概念すらありませんので治療のしようがないのが本音なのです。
でも私が専門にしている漢方には「血の道(通り)」を改善すべく、いろいろな処方が
用意され、得意としている分野です。
たとえば、当帰芍薬散という漢方は、血行をよくして冷えを改善する効果が期待できます。
もちろん、漢方の処方だけでなく、食事や生活習慣の指導も必要になります。
実は当院の漢方内科に通院されている半数以上は女性の患者様です。
診察は18:30まで行っていますので、会社帰りにでも通院も可能です。
お気軽にご相談ください。
2022年1月 院長コラム 「高血圧」に対する漢方について
今回は、「高血圧」に対する漢方についてふれてみます。
漢方は疾患に対して体質に応じて処方を変え、人間の「体内環境」を整えることで改善する
ことを何度か紹介しました。
西洋医学による処方では、確かに血圧を下げるという目的を早く達成できるかもしれませんが、
そもそも高血圧の原因になっている症状(例:冷え、イライラ、のぼせ、不眠など)を緩和
させることは困難です。(全て緩和させようとすると、薬漬けになってしまいます)。
漢方では、高血圧に対し、その方の体質や胃腸の状況や体力などに応じて、処方を使い分けて
症状の改善から高血圧の改善を図ろうとしています。
当院でも、西洋医学による処方と漢方を使い分けて、単に血圧の数字を下げるだけではなく、
不快な症状を取り除くことで、生活の質(よく眠れる、不快な症状がない等)の向上も図る
ことを目的としています。
生活の質を上げたい方は、是非ご相談下さい。
2021年10月1日より糖尿病専門医による糖尿病外来を開始致しました。
糖尿病でお悩みの方は、どうぞご相談下さい。
医師 渡辺 友紀恵(糖尿病専門医・認定内科医)
元東京渋谷・日本赤十字社医療センター糖尿病代謝科勤務